人格解離

人格の解離とは一つの人格が幾つかの人格状態に分かれることです。多くのひきこもりは二重人格ーー本当の自分と表の自分ーーを持っています。

自由な自己表現できない子供は、親に合わせる偽の人格をつくり、その背後に本当の自分を隠します。親子関係のストレスがひどいと本当の自分はインナーチャイルドを作ります。

1)表人格

人に合わせる表人格には以下の特徴があります。

  • 決断できない。
  • 自分を殺して相手に合わせる。
  • 人と親しくなれない。
  • 自分の感情が分らない、自分の問題を見ない。

表人格はその場しのぎのクセがあります。対立を避けて、相手を怒らせないようにするのです。ニコニコしていることが多いが、感情が欠けているので他人を理解できず、「自分のしたいことが分らない」という問題を抱えます。

表人格は決断力がないために、他人の真似をする、集団行動する、横並びをする傾向があります。一見、周りとうまくやっているようですが、実際は人に嫌われるのを怖がり、人にどう思われるか気にしています。

ひきこもりの二重人格は、自分の気持ちを正直に言えない親子関係、あるいは本音を言うと不利になる人間関係から生まれます。

2)中の子供

中の子供は、患者が誰にも見せない自分で「ドロドロした自分」、「人に見せると嫌われる部分」と感じることがよくあります。中の自分は本当の自分の一部で、患者のトラウマを抱えています。

親子関係のストレスがひどいと中の子供が増える傾向があります。中の子供が2、3つと形成されるのは珍しくありません。

3)本当の自分

本当の自分とは、愛情を受けていれば一人の人間として成長する、その人本来の人格です。生きる力と人を愛する能力にあふれています。

 

  • 人を愛する/人と絆をつくれる
  • 決断能力がある
  • 事実を観察できる
  • 精神的に成長する
  • 感情がある

 

ひきこもりカウンセリングは、本当の自分を復活させて、新しい絆を作るのがゴールです。

4)心のシェルター

私たちの体験では、親との絆を失うと本当の自分は心のシェルターに隠れます。この現象は外国でも報告されており、精神科医のウィットフィールドは患者のイラストを紹介しています。(Co-dependency, Charles L. Whitfield) 本当の自分がシェルターにひきこもる現象は生後数ヶ月から3才くらいに発生します。

本当の自分を取り戻したひきこもり患者によると、シェルターの内部は以下の特徴があります。

 

  • 時間が止まっている
  • シェルターの中は暗い(外の世界が見えない)
  • 音がない(外の世界の音が聞こえない)
  • 周りに誰もいない
  • 安全だが何もない世界

 

患者はシェルターを洞窟、井戸の底、ブラックホールなどと様々な名称で呼びますが、「誰も自分を知らない」という孤立感は本当の自分がシェルターに閉じ込められるためと考えられます。

本当の自分が解離すると以下のような体験をする傾向があります。

 

  • 人にはウラがあると感じる
  • 言葉よりも相手の表情や態度が気になる
  • 自発性がない(人真似、横並び、集団行動ばかりする)
  • 自分のしたい事が分からない
  • 自分がないと感じる時がある。
  • 自己主張の強い人あるいは外国人が苦手

 

こうした傾向は多くの日本人に見られ、回復した患者は周りにたくさんの潜在的ひきこもりがいると報告しています。